減り続けているウミガメ
様々な物語やアニメに登場するウミガメは、多くの人にとって親しみ深い動物です。
昔話の浦島太郎にも登場します。
砂浜に産卵するウミガメの様子を想起する方も多いでしょう。
メスのウミガメは産卵期の数カ月の間に2,3週間おきに3回から4回に分けて卵を産みます。
卵は約2カ月でふ化します。
砂の中でふ化したウミガメの子供は砂の表面に移動していき、夜になって砂の温度が低下したことを察知すると一斉に外に出て海の方向に移動し、約2日のあいだ、沖に向かって泳ぎ続けます。
2日間、餌を一切食べずにひたすら泳ぎ続けるこの状態をフレンジーと呼びます。
フレンジーによって岸から遠く離れた大洋に到達できるのです。
この時期に沿岸から遠い外海を目指すのは、生きるためです。
沿岸地域ではカモメなどの鳥や魚に捕食されてしまう危険が高いのです
このうち大人のウミガメまで成長できるのは1000分の1と言われています。
成長したメスのウミガメは産卵のために再び砂浜に上陸しますが、オスのウミガメはそのまま海の中で一生を過ごします。
ウミガメの営みは太古から繰り返されてきましたが、今、その個体数が減少しています。
一時期ほどではありませんが、国によっては食用や装飾品用として乱獲されています。
また、漁業用の網に誤ってかかってしまうことも少なくありません。
ウミガメは海面に上がって呼吸することが必要なのですが、網にかかると海面に上がれず、窒息死してしまいます。
海に漂うプラスチックごみの影響を受けるウミガメも少なくありません。
さらには、産卵場所の砂浜が減少していることも影響しています。
港を作ると海流にも影響して、砂浜だった場所の砂が流されてしまうという事もあります。
数を減らしつつあるウミガメを保護しようという動きも各地で広がっています。
https://readyfor.jp/projects/yakushima-umigamekan
屋久島も世界遺産となって観光客が増加するなど、ウミガメにとって良くない状況も出てきており、34年間にわたって屋久島うみがめ館が保護活動を行っています。