ニホンウナギを守る
夏の土用の丑の日になるとスーパーではウナギ一色となります。
「夏バテ防止にウナギを食べてスタミナをつける」
「暑い夏をウナギで乗り切る」
などのコピーで埋め尽くされます。
最近は不漁の年も多く、高級品というイメージに拍車がかかっています。
土用の丑の日にウナギを食べる習慣は江戸時代の蘭学者の平賀源内によって始まりました。
当時のキャッチコピーも
「土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし」
だったようで、百年以上絶っても今とほとんど変わりません。
こうして日本の食文化に定着したウナギですが、絶滅危惧種に指定されているをご存知ですか。
ニホンウナギはIUCNによってレッドリスト、絶滅危惧種に指定されています。
IUCNというのは、世界の科学者らで組織する国際自然保護連合です。
「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い」という絶滅危惧種の3区分の中で2番目となる絶滅危惧1B類に指定されています。
養殖のウナギがあるじゃないかという方もいらっしゃいますが、養殖のウナギも元を正せば、稚魚である天然のシラスウナギですので影響は大きいわけです。
最近はシラスウナギが不漁で前年比1%しか取れなかったという年もありました。
漁獲量が減れば、当然価格は高騰します。
もはや、ウナギは高くて手が出せない魚になりつつあります。
実際、漁獲量だけでなく、消費量もピーク時の3分の1になってしまったというデータもあります。
何とかしなくてはいけない。
浜名湖では「ニホンウナギ資源回復プロジェクト」という活動も始まっています。
https://readyfor.jp/projects/unagi-houryu
ニホンウナギは産卵期が近づくと、太平洋を南下してマリアナ海溝近海で産卵し、孵化(ふか)して稚魚のシラスウナギとなって日本に戻ってきます。
「ニホンウナギ資源回復プロジェクト」ではニホンウナギを放流してシラスウナギを回復させていこうというプロジェクトです。