なぜ小麦の価格が高騰しているのか
小麦の価格が高騰しています。
農水省は、2022年4月からの輸入小麦の政府売り渡し価格を主要銘柄の平均で17.3%の引き上げを行いました。
原因の一つが、ウクライナ情勢です。
小麦の輸出国であるウクライナとロシアの政情が不安定なため、小麦の国際価格が高騰しています。
また、昨年はアメリカ、カナダ、オーストラリアが高温などの天候不順で小麦が不作となったことも影響しています。
さらに、為替の影響も大きいです。
2022年にかけて円安傾向で推移しているため、小麦だけでなく、輸入にたよる食品や製品はコストが余計に発生しています。
新型コロナの影響で、海運が不安定になっていることも大きいです。
運賃コストが上昇し、輸入に頼っている小麦にも少なくない影響を与えています。
日本では、国が小麦を一括して輸入して製粉会社に売り渡すという仕組みになっていて、価格は6か月に一度改定されます。
逆に言えば、半年に一度しか価格は変わらないので、高騰した価格は最低は続くことになります。
すでにパンやうどんといった小麦製品の価格にも影響が出てきています。
もともと、古くから米中心の食生活であった日本の小麦の消費量は多くはなかったですし、世界的に見ると小麦への依存度は低いのですが、戦後から急速に小麦の消費量は増えてきました。
現在の小麦の高騰は日本でも日常生活に大きな影響を与えています。
ウクライナ情勢の動向によっては、今の状態が長引く可能性も考えられます。
小麦の高騰が続くリスクも念頭に入れて、将来的なビジョンを考えていく必要がありそうです。