暖房はエアコンと灯油どっちが安い?
灯油ストーブやファンヒーターは、灯油を燃焼させることで熱を生み出す暖房方法です。
灯油は燃料費が比較的安いことが特徴で、灯油1Lあたり150円とした場合、一般的な灯油ストーブが1時間に消費する灯油量が約0.2Lであれば、1時間あたりのコストは約30円となります。
ただし、灯油を購入する際にはその価格が季節や地域によって変動するため、実際のコストは変わる可能性があります。
また、灯油を扱う手間や、定期的に補充が必要であることも考慮する必要があります。
エアコンの暖房費用について考えてみましょう。
エアコンは電気を使って室内の空気を暖める仕組みで、近年の高性能なエアコンでは消費電力が少なく効率的に部屋を暖めることが可能です。
たとえば、最新型のエアコンでCOP(成績係数)が4.0の場合、1kWhあたりの電気料金が27円とすると、1時間の暖房にかかる費用は約6.75円程度になります。
これに対して、古い型のエアコンや寒冷地では効率が低下し、同じ暖かさを得るためにより多くの電力を消費することがあり、1時間あたり10?15円程度になる場合もあります。
具体的な利用シーンを考えてみましょう。
たとえば、東京のように比較的温暖な地域で、1日3時間程度しか暖房を使わない家庭の場合、エアコンを使った方がコストパフォーマンスが良いことが多いです。
1日3時間使用する場合、エアコンの暖房費は1日あたり約20円程度になり、1か月では600円程度となります。
一方で、灯油ストーブを同じ条件で使う場合、1か月の暖房費用は約2700円程度になる計算です。
このように、短時間の使用であればエアコンの方が安価に暖房ができる傾向があります。
一方、北海道や東北地方のような寒冷地では状況が異なります。
たとえば、1日10時間以上暖房を使う家庭の場合、灯油ストーブがエアコンよりも経済的な選択肢となることが多いです。
灯油価格が1Lあたり120円と比較的安価な場合、1時間あたりの暖房費用は約24円となり、1日10時間の使用では約240円、1か月では7200円程度になります。
同条件でエアコンを使用した場合、1時間あたりの暖房費が10円だとすると、1か月の費用は約3000円ですが、寒冷地ではエアコンの効率が低下するため、実際にはより多くの電力を消費する可能性があります。
また、灯油ストーブは寒冷地での使用を想定して作られているため、安定した暖房能力を発揮できるという点でも有利です。
また、快適性や使い勝手も選択のポイントになります。
エアコンは部屋全体を均一に暖めるのが得意で、タイマー機能やリモコン操作などの便利な機能が充実しています。
そのため、短時間で部屋を暖めたい場合や、外出前に自動で運転を開始させたい場合などに便利です。
一方、灯油ストーブは部屋の一部分を重点的に暖めることが得意で、即座に暖かさを感じられるという特徴があります。
これにより、リビングで家族が集まる場所だけを効率的に暖めたい場合や、停電時でも使用可能な点が魅力です。
ただし、灯油の補充や換気が必要になるため、手間がかかる点には注意が必要です。
さらに、環境面での違いも考慮する価値があります。
エアコンは電力を使うため、使用する電力が再生可能エネルギーから供給されている場合は環境負荷が低くなります。
一方で、灯油は化石燃料を燃焼させるため、CO2の排出量がエアコンに比べて多くなる傾向があります。
そのため、環境への影響を重視する場合はエアコンが有利と言えるでしょう。
家族4人で暮らす家庭を想定して比較してみます。
この家庭は冬場の暖房としてリビングと寝室で1日8時間程度暖房を使用し、月間使用量が約240時間になるとします。
灯油価格が1Lあたり150円の場合、1時間あたりのコストは約30円となり、月間の暖房費は約7200円になります。
一方、エアコンの暖房費用が1時間あたり10円の場合、月間のコストは約2400円となります。
このように、エアコンの効率が良い場合には月間のコストに大きな差が出ることがわかります。
ただし、寒冷地でエアコンの効率が低下した場合や、灯油価格が下がった場合には逆転する可能性もあります。